こんにちわ、katadsuketaiです。
続きを書きます。
さらに、関東の地震の発生確率を上昇させたのは、
相模湾の海底を走る相模トラフ沿いの
地震について得られた新しい知見です。
有名なのは1923(大正12)年の関東大震災。
相模トラフの地震に関しては、
記録も豊富なこの関東大震災を基準に
考えられることが多かったのです。
ところが東日本大震災をきっかけに、
さらに古い地震についても詳細に
見直すべきではないかということに。
そこであらためて調査が進んだのが、
関東大震災のふたつ前、
1703年の元禄地震です。
これが、調べれば調べるほど、
関東大震災より大きな地震だったとわかってきました。
たとえば、元禄地震では、鎌倉の鶴岡八幡宮まで
津波が到達したという記録があります。
ここは海岸から内陸に2㎞も入ったところで、
関東大震災ではそこまで津波は来ていません。
他には小田原にも津波が来たという
記録があるけれども、関東大震災では来てません。
さらに、当時の交通の大動脈、東海道は
大船近辺から箱根までズタズタになっています。
で、翌年富士山が大噴火しています(宝永大噴火)
つまり、大正の地震よりもさらにひと回り大きな地震が、
関東では起こっていた可能性があるのです。
ならば、次に来る地震を、関東大震災程度と
考えていては甘いのではないか、ということです。
数字が跳ね上がっただけでも驚いてしまう、
この地震の発生確率ですが、
その数字の意味をもう一歩、突き詰めて考えてみれば、
背筋が凍るような感覚がこみあげて来ますね。
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たとえば、横浜の78%という数字。
これを、あなたはどう感じますか???
想像してみて下さいませ。
もしこれが天気予報の降水確率だったら、どうです??
『今日の午後、雨が降る確率は78%です』
と言われたら、ほとんどの人は
”今日の午後は雨だな”と判断し、傘を持って外出。
それはごく常識的な行動とだと考えます。
ならば、『今後30年間のどこかの時点で、
震度6弱以上の大地震が起こる確率は78%です』
と言われた地域の人々は、
それなら、我々はこれから30年以内に
大地震に遭遇するんだな、と判断しますよね。
仮に平均寿命まで生きるとしても、
現在50歳から下の世代は、ほぼ確実に
巨大地震を経験することになる確率ですよ。
横浜は78%危ないらしいけど、
東京は50%弱だから、関係ない
などと、地域を切離して勝手に考えるのは良くないです。
当然ながら、横浜で震度6弱以上の地震が
発生したときには、東京も相応の揺れに襲われ、
それなりの被害が発生すると考えないと。
端的に言えば、首都圏全体で
巨大地震発生の危険が高まっているのですよ。
脅しではありません。
では首都圏を巨大な直下型地震が襲ったら、
何が起こるのか。
首都直下地震が発生して、多くの人が
都心から自宅を目指せばどうなるのか??
皆が一斉に帰宅を始めると、人命に関わります。
地震発生から10分後には、人が折り重なって倒れる
”群集なだれ”の危険がある場所が現れてしまいます。
”群集なだれ”とは??
一時間に400m以下しか進めない。
1㎡あたり四人未満の密度の場所でも、
一時間に2km程度しか進めない場所があり
、
しびれを切らせて車道を歩く人たちが出てきて
渋滞に拍車がかかるようになります。
火災や落下物の影響で通行止めも起きて交通が混乱中。
重傷者があちこちにいても、救急車や消防車など
緊急車両が現場にたどり着けずに立ち往生する状況になります。
むやみに帰宅しようとすると、
自分が危険にさらされるだけでなく、
救急や消防の活動を妨げ、
人命を奪う原因になる恐れがあるのです。
3.11時も当然ながら混乱しましたが、
歩道はおおむね1㎡あたり1.5人以下に収まり、
前の人を追い越すことも可能な程度でした。
首都直下地震では1㎡に6人を超える場所も想定されるようです。
3.11時の体験を過信するのは危険なのです。
続きます。
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